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ここで紹介するQ&Aは少し特殊な「VPSリフロー」を使った実装例です。このVPS(Vapor Phase Soldering: 気相半田付け)は、Nリフローと同様の低酸素リフローの一種ですが、 Nよりさらに低酸素(ほとんど無酸素)でリフローを行うため、 リフローで発生する不具合がさらに極端な形で現れます。 リフロー炉ユーザーにも参考になる内容です。

Q チップ立ちに困っております。
A、 チップ立ちの件、お問い合わせありがとうございます。
下記に、実際に私が悪戦苦闘しながら学んできたチップ立ちに対する考えを書いてみます.
まず,結論を簡単にいってしまうと,

「チップ立ちは、両電極の半田のバランスが偏ることによって発生する」
ということです。
 これは誰でも漠然と理解していると思いますが、では、なぜバランスがくずれるのでしょうか.

原因を

「基板側の要因」、「半田側の要因」、「部品側の要因」
に分けて考えると理解しやすいと思います。
この要因ごとに、御社の状況に近いものから順にあげてみます。


■基板側の要因
@両パッド間や電極・パッド間の濡れ性の差が大きい場合。
 (N2やVPSのような低酸素リフローは、濡れ性の差を激しくするので要注意)

各種のパッドの表面処理法別に比較した場合、濡れやすいのは
   半田めっき > プリフラックス > 金メッキ(金フラッシュ)
の順です。

 ただ、半田めっき(レベラー処理)も酸化が進むとはじき傾向が大きくなります。また、最も濡れ性の劣化が激しいのは プリフラックスです。
 金メッキはもともと濡れ性が悪いのですが、まったく酸化しないため、エアリフローでもNリフローでも 濡れ性に差は出ません。しかし、Nの場合、チップ側の電極は濡れ性が改善されるため、半田は濡れにくい 金メッキのパッド上から電極上部へ濡れ上がる傾向となります。このため、表面張力による引っ張りのモーメント が大きくなり、両方の半田の濡れ広がり方に差があると、容易にチップ立ちとなります(チップの電極の 下側をわずかなフィレットで引っ張るのと、電極の上側までたっぷり濡れ上がったフィレットで引っ張るのとの差です)。
 この対策として、最近ではNからエアリフローに戻してしまう現場を多く見受けるようになりました。 確かにこれでチップ立ちはかなり減少しますが、逆に、金メッキのパッドの隅々まで濡れないものが多発するよう にもなります。
 そのため、外観基準として、「パッド辺縁部まで濡れていなくても、 多少でもフィレットが形成されていれば良しとする」のような規格の合意が必須です。 特に0603チップなどで多くのフィレットを望めば、ちょっとしたアンバランス要因でチップ立ちを増やすことに なりますので、この合意は重要です。
 金メッキ基板と、Nリフローの組み合わせでよく発生するのが、「ウィッキング」といわれるショートです。 濡れが良好なQFPなどのリードの肩の部分に発生しやすいため、「ショルダーショート」などともいわれます。 これも、金メッキの濡れにくいパッドが要因となって、一番温度の高いリードの肩の部分まで半田が上がっていき (温度勾配による半田の移動)、リードの曲がり部分で串刺しの団子のような玉となります。この現象を「ウィッキング」 というのですが、隣接するリード同士でこのようなウィッキングが発生すると、リードの肩部分でのショート (このショートは,基板表面ではなく、宙に浮いた状態でのショートですので、不思議な印象を受けます)となって しまいます。
 この現象は、上記のチップ立ちのメカニズムと良く似ています。リードへの濡れあがりの良さと、 パッドの濡れの悪さが同時にある場合にこのような現象が起こるため、エアリフローに戻して、濡れ性の差を緩和 してやることによって改善されることが多いのだと考えています。
 プリフラックスは、パッド表面を覆っている一種の防錆皮膜ですが、パッドの酸化傾向の面では、 まったく酸化しない金メッキと酸化しやすい半田めっきの中間です。また、濡れやすさも、濡れにくい 金メッキと濡れやすい半田めっきの中間です。
 そのため、チップ立ち傾向も、ちょうど金メッキと半田めっきの中間的傾向となることが多いようです。
 以上、一般的に使用の増えてきているNリフローばかりに重点を置いた説明をしましたが、御社のVPSも、 Nリフローと同じ無酸素リフローです。VPSは、加熱によって気化したフロリナートの高温の気体層(ベーパフェイズ) 内でリフローを行なうもので、空気より重いフロリナートの蒸気内には酸素がなく、 上記のNリフローのような濡れ性の差が激しいリフローとなってしまいます。そのため、 やはりチップ立ち傾向があります。
 頂いたメールでは、「現状ではチップ立ちが出ていないが、金メッキ、プリフラックス、 鉛フリー半田のいずれかとの組み合わせでチップ立ちとなる」とのことですが、現在お使いのVPSは、これらの 組み合わせの際のチップ立ち傾向を助長しているのではないかと考えられます。
 そのため、もしかしたら、チップ立ちだけでなく、ウィッキングによるリードのショルダー部の玉や、 ショルダー部のショートが発生するかもしれません。
 VPSは、熱容量が大きいため、大型部品搭載基板などに向いていますし、 Nリフローよりも温度管理が簡単な方式ですが、一方で、独特のクセがあります。 基板をVPS槽内におろしていくと、冷たい基板に熱を奪われて結露したフロリナートの水滴が、 基板表面を流れていくことがあります。これは他の半田付け方式には起こらないことで、 このフロリナートの流れが微細部品を押し流そうとして、ズレや立ちを発生させることがあります。
 このフロリナートの水滴の流れは、チップの両パッドの半田の溶融タイミングをずらしてしまうこともあり (下記のAを参照してください)、これもチップ立ちを助長してしまう要因です。
 このようなVPSによるチップ立ちを防止するためには、ベーパゾーンに一気に基板をおろすのではなく、 時間をかけて温度差を小さくしてやることが有効ですが、根本的な対策にはなりません。


A両パッド間で、半田の溶融タイミングがずれる場合。
 溶融した半田は、パッドと電極を引き付けようとし始めますので、 両パッド(両電極)間で半田の溶けるタイミングがずれた場合、未溶融側がフラックスの粘着力だけで抵抗できないと、 チップ立ちが発生しやすくなります。

 溶融タイミングがずれる原因としては、次のようなものが考えられます。
●裏面に、熱容量の大きな部品が搭載されている場合。
 両面基板の2度目のリフロー時にチップ立ちを発生させます。
●基板内にパッドの片側だけが重なる位置で大面積の「べたアース」層がある場合。
 1回目のリフロー時からチップ立ちを発生させます。
●チップの実装方向が、基板の進行方向とチップ長手方向とが同じになっている場合。

 これだけですぐにチップ立ちになるわけではありませんが、基板進行方向の後ろ側のパッドのはじきや溶融遅れ、 半田量の過少 など、他のアンバランス要因と重なるとチップ立ち傾向が強まります。


B基板表面に凹凸(特にチップ中央に引かれたシルクスクリーン)がある場合。

 ショートやサイドボール対策として、チップの両パッド間にシルクの線を入れているのを見受けます。
 しかし、これはまだチップ部品が大きかった時代の考え方で、現在ではむしろ有害です。
 シルクインキの印刷部分は盛り上がっているため、チップが浮き上がってしまい、 部品両端の半田が電極とパッドとを引き付けあう力がアンバランスとなるため、 次の写真のようなチップ立ちや回転ズレの原因となります。

 上の写真と同一個所です。この写真ではまだチップ立ちに至っていませんが、 他のチップ立ち要因(たとえば印刷マスクの目詰まりによる半田量のアンバランスなど)が重なると容易に チップ立ちにつながる、きわどい状態です。
 この対策は簡単で、ズバリ、このようなシルクを廃止することですが、 御社のような出来上がった基板を支給される立場では、ことあるごとに実例を示して 理解を求めていく努力が求められると思います(しんどい話ですが)。


C両パッドが必要以上に外側まで広げてある場合。

 互いのパッドの間隔が狭いと、チップ本体につぶされて部品と基板との隙間に広げられた クリーム半田は、リフロー後にサイドボールとなってチップ横に出てきます。
 また、まれで すがチップ下でのショート(発生頻度は少ないが発見しにくい。この従来の対策例が上記のパッド 間シルク)が発生することがあります。
 これらを防止するために、レイアウト設計者の中には、上の 図のようにパッド間の間隔を広げ、全体を外側にシフトさせる人がいます。すると、溶融半田の張力は、 左の例のような下向きに引っ張っていたものが右のようにかなり横向きとなります。
 青い矢印←↓で示すのは 、そのときの力の方向(ベクトル)ですが、横向きの矢印はチップを引き上げようとする回転モーメントとなって、 反対電極側の半田張力との間に差があるとチップ立ちを起こしやすくなります。
 図のように パッドが両端方向に離れるほどチップ立ちを発生させる回転モーメントが大きくなるのが分かります。
 では、シルクも使わず、パッドも離さないで対応するためにはどうすればよいでしょうか。


ここに示すのはパッドとチップの位置関係を示す 平面図です。すでに説明したように、チップ下ショ ートやサイドボール対策として、単にパッド間隔を 広げるだけ(右上の図)ではチップ立ちを発生させやす くなってしまいます。そこでこの対策として、前ページ下の「変更後(OK)」の図のように、 両パッドの外端位置を極力広げないようにし、長手方向で確保できない面積を短手の幅方向に広げて対応します。
 この場合でも、幅方向の半田張力がアンバランスとなればチップ立ちとなる場合がありますが、長手方向での チップ立ち(マンハッタン)が2箇所のみの半田張力のバランスで良否が決まってしまうのに対し、幅方向では、 4箇所の引っ張り合いでバランスをとればよくなります。つまり、いずれか1箇所だけバランスを崩しても 、他の部分でカバーしているため、容易にチップ立ちしなくなります。ちなみに、 縦立ちを「マンハッタン(ニューヨークの高層ビルの)」、横立ちを「ツームストーン(西洋の墓石のこと)」 といいますが、ツームストーンは、同じ側のどの張力も反対側の張力に対してアンバランスになった場合のみ発生するため 、チップ立ちを激減させることができます。このような「幅広型パッド」の採用によって、マンハッタンもツームストーン も発生しなくなります。

 ちなみに、左の赤線で示した図形は、サイドボールの 発生を防ぐために多用され始めた印刷マスクの開口形状 で、「ホームベース」と言われるものです。
 前述のようにパッド間隔を開き過ぎたり、印刷マスクの 開口間隔を開きすぎると、チップのマウント位置が少し ずれただけでも電極が半田上に乗らなくなりチップ立ち が多発します。一方、パッドの形のまま印刷すると、チップにつぶされてパッドから内側にはみ出した半田は、チップと基板の隙間に挟まれて パッド間に薄く広がっていますが、リフローで溶融すると一体化しボールとなってチップの横に出てきます。 これがサイドボールです。チップに傾きがある場合など、浮いている側に発生するのが特徴です。
 このように、サイドボールを減らそうとするとチップ立ちが多発することになるため、両者は二律背反の関係(トレードオフ) ですが、この2つの不具合を同時に解消しようとするのが「ホームベース」型のマスク開口形状です。
 この開口形状にすると、開口の内側位置を離すことなくつぶされる半田面積を減らすことができるため、チップ立ち防止とサイドボール対策を両立させることができます。 そのため、このようなマスクの開口形状にする場合が増えてきました。
 しかしこの対策によって、新たな二次災害的不良が発生し始めています。上の図で分かるように、 ホームベース型の開口マスクで印刷された半田の供給量は、開口部の内側が斜めにカットされた分減少しています。そのため、チップの電極とパッド間に 半田のないスキマ部分ができていて、リフロー時にはここに半田が吸い取られていくため、半田不足傾向の不良が発生しやすくなります。多少酸化の進んだ基板であっても 十分な半田量を供給すれば回避できたであろう「濡れ不足(はじき)」や、ホームベース型にしなければ起こらなかった「フィレット不足」などが発生しやすくなります。
 残念ですが、現在のメタルマスクにはこのような二次災害を防ぐ有効な手段がありません。そこで当社では、 この対策のため
Pキューブマスクがプラスチック製のマスクであるという特長 を生かした新しい対応ノウハウを開発し 画期的な成果を挙げています 。
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ひきつづき 半田付け品質改善シリーズA 「サイドボールの撲滅」をごらん下さい。



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